WordからEPUBに変換する

CAS-UBには、外部データインポートを使い、Microsoft-Word(2003XML形式、.doc/.docx)をEPUBに変換する機能があります。

説明文の最後にあるinsert_linkWebマニュアル名をクリックすると、該当項目のWebマニュアルを開きます。

Wordの原稿を用意する

Word文書のEPUB変換の説明用にサンプルWord原稿をWord2007で執筆しました。Wordの印刷プレビューでみますと、でき上がりは全体で5ページとなりました。

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図1.1 Word文書の印刷プレビュー

CAS-UBにうまく取り込むには、Word文書でできるだけWordのスタイル機能で書式を設定します。この文書では、Wordのスタイルを使った箇条書きを作成し、原稿の見出しには図のようにアウトラインを設定しています。

スタイル機能とは、Word2007以上に出てくるリボンの、主に「ホーム」タブ>「フォント」「段落」「スタイル」カテゴリのことを指します。

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図1.2 Word原稿のスタイル指定

できあがった原稿はWordのdocx形式、ファイル名を「PDFAの作り方.docx」として保存します。

ワンステップWord変換機能

CAS-UBの主メニューにはWord変換ボタンを用意しています。

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「Word変換」ボタン

Word変換を使えば、詳細な設定を行なうことなく、ワンステップでWordを直接EPUBに変換できます。

但し、Word変換は、あくまでひとつのWord文書を一つのEPUBに変換します。複数のWord文書取り込んで一つのEPUBやPDFを作ることはできません。また、詳細なEPUB・PDF生成設定をすることができません。

そこで、次にCAS-UBによる出版物の作成の流れを理解していただくためWord原稿を用意し、ステップバイステップでEPUB3を作成する流れを説明してみます(PDFの場合は、PDF用のレイアウト設定画面で詳細設定を行います)。 insert_linkWordインポート&変更利用ガイド:1-1 Word変換

CAS-UBにWord文書をインポートして出版物を編集する

1.CAS-UBの出版物新規作成からWord文書インポートまで

(1) 出版物新規作成

今度はCAS-UB側で出版物を作ります。まず、ログイン後の出版物一覧画面で左上の [出版物新規作成] をクリックします。
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(2) 出版物ファイル名とタイトルを設定

出版物のファイル名(出版物識別名)とタイトルを設定します。
全く新しいものを作る場合は、「作成方法」を「デフォルトの設定で新規作成」のまま、一番下の [作成] ボタンをクリックします。 insert_linkユーザー・ガイド:3-2 出版物新規作成

なお、英語の出版物を作成する場合は、「出版物の言語」をデフォルトの「日本語」から「英語」に変更します。

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(3) 外部データ入力でWordファイルをインポート

画面の出版物名の下にあるリンク集から、外部データ入力を選択し、「外部データ入力画面」に遷移します。 insert_linkユーザー・ガイド 3-14 インポート

  1. インポートファイルの形式は「Microsoft Word 2003 XML」。
  2. インポート先は「主原稿」とし、記事に分割するアウトラインレベルを設定(デフォルトは「1」)。
  3. >準備したWord原稿を開き、をクリック。
  4. インポートが完了すると、[2]で選択した「主原稿」リンクが表示されます。
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(4) 記事の構成を確認、内容を編集する

「主原稿」リンク>「記事編集画面」に遷移します。
「記事一覧」で、出版物の記事のツリー構造を編集し、記事編集画面で本文内容について編集することが出来ます。

insert_linkユーザー・ガイド 3-3 記事編集画面
insert_linkユーザー・ガイド 3-8 記事の構成を編集する

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2.書誌情報の編集

CAS-UBでは、表紙や奥付として出力するデータを書誌情報から引用しますので、表紙と奥付に記載が必要な項目は書誌情報に記入しておきます。登録したデータは、出版物のメタデータとしてEPUBやPDFなどの出力結果にも反映されます。 insert_linkユーザー・ガイド 2-4 はじめてのEPUB制作~書誌編集

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(1) 著者のプロフィール

手順1

書誌編集画面のプロフィール・著者を選んで[編集]ボタンをクリックし、さらに[追加]をクリックします。

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手順2

著者のプロフィール編集画面が表示されますので、ここで、必要事項を入力します。今回は、「著者の名前(ペンネーム)」、「著者のプロフィール」、「公開する連絡先」の欄に記入、[保存]ボタンをクリックして戻ります。

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(2) 版数・発行年月日の設定

書誌編集画面で改訂履歴を選んで[編集]ボタンをクリックし、版数と発行年月日を入力して[追加]ボタンをクリックして戻ります。

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3.EPUBの生成

EPUBを生成するには、出版物タイトルの表示の下にある [生成] をクリックし、出版物の生成画面に移ります。insert_linkユーザー・ガイド 3–27 EPUBの生成設定

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(1) [一般]設定でCSSのテーマを選択

ここでは、EPUBの組版デザインを決めるCSSのテーマを決めます。

手順1

EPUB3の [一般] をクリックし、「一般設定」画面に移ります。

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手順2

「CSSのテーマ」を設定します。テーマはお好みですが、ここでは「横書き」「ノーマル明朝2」を選択します。テーマを選択したら、最後に、右上の[保存]ボタンをクリックして変更を保存してください。

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【ご注意】CSSのテーマを選択しないと、テーマが「未定」のままになり、EPUB3を生成したときレイアウト指定のない状態となりますので、お好みのテーマを選択するようにしてください。

(2) タイトルページで出版元ロゴを指定

手順1

[タイトルページ]画面では、出版物(ここではEPUB3)のタイトルページ(本扉)を自動生成する際に盛り込む内容を設定します。EPUB3の[一般]画面で“タイトルページ”を[生成する]にした場合に反映されます。

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手順2

ここでは発行元のロゴ(JPEG形式)をアップロードします。
用意したロゴファイルをアップロードすると 'publisherLogo.jpg'という名前でクラウド・サーバーの画像フォルダーに格納されるので、[保存]ボタンをクリックして設定を保存します。

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(3) EPUBの生成実行とダウンロード

手順1

[EPUB3を生成] をクリックすると、「生成確認」と大きく表示されて生成を開始します。しばらくして、「ダウンロード」に表示が変わったら生成完了です。

seisei-EPUB3-download
手順2

生成の完了を待たずに他の作業をしたり、ログアウトしてPCをシャットダウンしても、生成処理は行われていますので、後で生成結果をダウンロードできます。
生成画面で、…を生成の下に生成済み…ダウンロードといったリンクが表示されていれば、そのリンクから前回生成した結果をダウンロードできます

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【ご注意】生成済みのファイルは、システムのメンテナンス時などに削除されますので保持期間は保証できません。

4.完成したEPUBをiBooksで表示

完成したEPUB3をiBooksで表示してみましょう。

(1) タイトルページとナビゲーションと本文先頭

カバー画像(タイトルページ)は、CAS-UBのEPUB生成画面[一般]設定で「タイトルページ」を生成するとし、[書誌編集]画面で登録した書誌情報から自動生成したものです。ナビゲーションは、既定値で章と節までを取り込んでいます。なお、ナビゲーションに取り込むレベルは[一般]設定の「目次の生成」で変更できます。

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図4.1 表紙とナビゲーションと本文
(2) 奥付け

本文の最後の部分と奥付けです。奥付けは、書誌情報から自動生成しています。奥付けを生成しない設定もできます。

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図4.2 本文の奥付け

最後に

いかがでしょうか。CAS-UBを使えば、Wordで原稿を準備してから、ものの10分でEPUB3を作ることができます。

Word文書のテンプレートの設計や独自の変換メニューを用意することもできますので、関心をお持ちの方は、cas-info@antenna.co.jpまでお問合せください。