EPUB アクセシビリティ
EPUB3(以下、EPUB)登場の頃からある大きな特長の一つである“テキスト読み上げ(音声読み上げ)”対応は、障害を持つ読者にとって、より多くの書籍に触れる(アクセスできる)機会です。
特に最近では、ビューア側も次々とこれに改良対応したおかげで、EPUB制作側と読者の距離がぐっと縮まりました。
CAS-UBも、こうした取り組みに対応できるよう、新しい機能を追加しました。
表紙(カバーページ)の読み上げ
カバーページの代替テキストは単に「カバー」という固定文字列でしたが、2017年9月28日の定期メンテナンスで、書誌情報の「タイトル」と「サブタイトル」が設定できるようになりました。
これにより、EPUB3.0を音声読み上げするとき、カバーページで「書名」と「副題」を読み上げるようになります。

【ユニークな使い方】"テキスト" だけでカバーページを作りたい
CAS-UB には、カバーページのほかに、タイトルページを出力生成する機能があります。
EPUB3.0でカバーを"テキスト"だけで作成したいとき、「カバー」を出力せずに、タイトルページを「出力する」ことで、タイトルページをカバーページのように扱うことができます。
作り方
- create自動生成
- 「生成画面」>「EPUB3」カテゴリ「一般」ボタンより、「一般」画面を開きます。
- 「タイトルページ」リスト欄で「生成する」を選択します。
※このとき、「記事の種類」が“タイトルページ”に設定されている記事があるときは、この操作は無効になります。
- create手作り
- 先頭記事の「編集」画面で、「記事の種類」をタイトルページに設定します。
- 記事のタイトル欄に任意の文字列を記入し、保存します。目次にタイトルを出さない場合は、編集画面の下「タイトルを目次に出力する」チェックボックスからチェックを外します。
なお、タイトルページのデザインをカスタマイズする場合は、本文テキスト入力エリアにタイトル等を記述のうえ、「タイトルを本文に出力する」チェックボックスからもチェックを外し、別途「style.css」ファイルを作成し、編集画面から「スタイルシート」画面に遷移し、「style.cssとしてアップロード」してください。
ページ分割マーク(page break markers)
元の紙の本に振られているページ番号を、EPUBにも記述する方法です。
EPUB3.0のナビゲーションファイル(nav.xhtml)にページリストを作成し、ナビゲーションを展開したとき、紙の本のページ番号も一緒に表示できるようになります。
- 役割
- 読者がEPUBを閲覧中に、必要に応じて紙のページ番号に相当する位置にジャンブさせます。
主にデジタル教科書としての利用が想定されています。 - 必要とされるケース
-
- edit学校の教室
- edit印刷教科書とデジタル教科書(EPUB)を併用
- edit教師は印刷教科書を使用
- edit視覚に障害を持つ生徒(児童)がいる
授業中に、教師が「昨日の続きから始めます。教科書の○○ページを開いてください」といったとき、EPUBにはページの概念がないため、ピンポイントで該当ページを開けず、デジタル教科書を利用する生徒(児童)が戸惑うことがあります。
新しいCAS記法“ページ分割マーク(page break markers)”を使い、EPUB内に紙の本のページ番号を記述したデジタル教科書ならば、ページリストナビゲーションに対応したビューア(リーディングシステム)を用いることで、生徒(児童)は教師の指示に従って該当のページ(位置)へジャンプできるようになります
作り方
- create「編集」画面にて本文中に、[[[:#N@b ]]] を挿入し、「N」の部分に原本(紙・PDF)のページ番号を自然数(1、2、3、…)を代入することで設定します。
※bはページマークであることを意味します。bの直後には半角空白が必要です。
詳しい情報は、CAS-UBブログのCAS-UBは本日の定期保守で、EPUBアクセシビリティ関連の機能追加などを行う予定です。をご覧ください。