8–34 記事内の特定位置に目印(ID)をつける

IDの付与と参照

参照(IDの参照)

見出しの参照

CAS-UBの編集機能はID参照の設定を支援しています。本節と次の節で、CAS-UBのID参照で支援できるマークアップについて説明します。この他に、CAS記法の属性付与を使えばEPUBなどの文法として有効なID属性とID値をマークアップできます。この方法で入力したIDはCAS-UBのID参照機能の対象にはなりません。

関 連

ID属性

IDの付与と参照の関係

ある記事のある位置(参照元またはアンカー)から、その記事または他の記事内の特定項目・位置(参照先)を参照するには次のようにします。

  1. 参照先に目印(ID)をつける。
  2. 参照元でID参照を設定する。

この節ではIDのつけ方について説明します。次の節でID参照の方法を説明します。

自動付与するIDとユーザー付与ID

CAS-UBの編集機能でID参照・参考文献ID参照の対象となるIDには①CAS-UBのシステムが自動付与するIDと、②ユーザーが編集時にマークアップするユーザー付与IDの2種類があります。

自動付与するID

タイトル、見出し、特殊なブロック(図・表など5種類)のキャプションには、自動的にIDを付与します。IDの値は文字列から自動的に生成したものとなります。

表8・7 IDの種類
付与対象IDの種類(ID一覧の表示)説明
タイトル記事記事のタイトル・テキストを元にIDを作ります。
見出し項目本文中の'='で開始する見出し段落のテキストからIDを作ります。
特殊なブロックのキャプション[[[:fig から始まる行の'='で開始するキャプションのテキストからIDを作ります。
[[[:tbl から始まる行の'='で開始するキャプションのテキストからIDを作ります。
要約 [[[:sum から始まる行の'='で開始するキャプションのテキストからIDを作ります。
コラム [[[:col から始まる行の'='で開始するキャプションのテキストからIDを作ります。
注記 [[[:ann から始まる行の'='で開始するキャプションのテキストからIDを作ります。

次のIDは編集のID参照の一覧には表示されません。CAS-UBで注釈一覧や索引を作成するときのリンク作成用です。

  • 注の内容にIDを付与します。後注(注釈一覧)を作成するとき、後注から注へのリンクを自動生成します。
  • 索引語にIDを付与します。索引を作成するとき、索引語から本文へのリンクを自動生成します。

(1) CAS記法

=自動付与するID

(2) 表示例

  • IDは参照時にジャンプする先の位置を表すものなので、内容表示、EPUB/PDFなどで表示できません。

(3) XHTML

  • 内容表示でXHTMLを確認すると次のようになっています。'id='の後ろの引用符'"'で囲まれた部分が自動生成したIDです。
<div id="h.201108021925a.自動付与するID"><h1>自動付与するID</h1>...</div>

ユーザー付与ID

ユーザー付与IDは、要素のマークアップ直後の':#'に続く固有の文字列であらわします。固有の文字列はユーザーIDの識別用です。その後の'@'の後にオプションで用途を指定できます。用途を指定する文字として、'r', 'm', 'p'の3種類を使うことができます。

表8・8 IDの種類
付与対象IDの種類(ID一覧の表示)入力の例
任意場所用途指定なし:#id-value
参考文献:#id-value@r
数式(任意のブロック) [[[:#id-value@m
ブロック数式$$:#id-value@m
任意の場所:#id-value@p
注 意

任意のブロックに数式のIDを付けると、ブロックに数式番号を振ることができます。

例2

(1) CAS記法

*:#mikm1@r 三上 喜貴『文字符号の歴史 アジア編』共立出版 2002

(2) 表示例

  • IDは、内容表示、EPUB/PDFなどで画面に表示されません。

(3) XHTML

  • 内容表示でXHTMLを確認すると次のようになっています。'id='の後ろのダブル引用符('"')で囲まれた部分が、idの値となります。CAS-UBは、ユーザーが設定した文字列を加工してidの値を作成しています。
<li id="u.201112292212.mikm1.r">三上 喜貴『文字符号の歴史 アジア編』共立出版 2002</li>

IDの重複

IDの重複

ひとつの記事の中に同じIDが出てくると生成時にエラーになります。異なる記事では同じIDを使うことができます。