第4章 Word文書内容のCAS記法への変換

Wordのインポートでは、Word文書編集時に設定されている文字装飾などのうち、次の表の項目をCAS記法に変換します。

4–1 Word文書のスタイルと属性の取り込み

Wordの指定CAS記法(例)備考
アウトラインレベル見出しランク:行頭'='の数 アウトラインレベルに応じて見出しランクを設定します
アウトライン番号非該当番号を取り込みまたは削除(オプションで設定)
太字**ボールド**強い強調(ボールド)
斜体//イタリック//強調(イタリック)
下線__アンダーライン__注意を促す(アンダーライン)
ルビ(((魑魅魍魎|ちみもうりょう)))
縦中横[[[:tcy 13]]]年
箇条書き* 番号無し箇条書き箇条書きのラベルを文字として取り込むオプションがあります(後述)
段落番号# 番号付き箇条書きリストスタイル(リスト番号)を文字として取り込むオプションがあります(後述)
ハイパーリンク[[http://www.antenna.co.jp/]]外部リンクのみ取り込まれます
上付きm^^2^^
下付きH,,2,,O
{{image.jpg|image.jpg}}JPEGとPNG画像はラスター画像に、EMFをSVGとして取り込みます
段落内改行改行前\\改行後
改ページ、セクション区切り++++
表(単純なもの)|セル1|セル2|表のバックグラウンドカラーを有効にするとき、単純な表も埋め込みブロックになります(後述)
表(セル結合がある表)<<embed・・・>>埋め込みブロック
罫線のある表[[[:tbl ~]]]で囲み特殊化罫線がない表は特殊化しません
表セルのバックグラウンドカラー<td style="background-color:#(色指定)">後述
脚注・文末脚注 ((:footnote 脚注の内容)) EPUBでは本文中で()内に表示されます

4–2 アウトラインの番号

「外部データ入力」で「箇条書きをCAS記法にする」オプションのチェックを外すとアウトライン番号を削除します。

4–3 画像と図(線画)

JPEG、PNGはラスター画像になります。EMF(Windowsの拡張メタファイル)はSVGに変換して取り込みます。但し、EPUBリーダーによってはSVGを正しく表示できません。例えば、iBooks 4.0 ではSVGに埋め込まれたラスター画像は脱落します。

画像は、CAS-UBに取り込むときWord文書の中のアンカー位置に配置します。このためWord文書内でアンカー位置が画像の表示位置と前後している場合、CAS-UBでは画像の順序が逆転します。

Wordのオートシェイプは変換できません。

4–4 箇条書きと段落番号

箇条書きや段落番号は既定値では、CAS記法の箇条書きになります。「外部データ入力」で「箇条書きをCAS記法にする」オプションのチェックを外すと、箇条書きと段落番号の付いた段落は通常の段落の先頭文字となります。

4–5 箇条書きの行頭記号

「箇条書きをCAS記法にする」オプションのチェックを外すと、箇条書きの行頭記号を文字として扱い、通常段落とします。このときWordの行頭記号は次のCAS記法(Unicode番号)に変換されます。但し、PDFにするとき、フォントに文字の形が用意されていないと豆腐になります。また、EPUBリーダーによっては文字の形が正しく表示できません。

Word上の行頭記号CAS記法
黒丸(小) {{&#x00B7;}}
黒丸(中) {{&#x2022;}}
黒丸(大) {{&#x26AB;}}
四角(小) {{&#x25AA;}}
四角(中) {{&#x25FE;}}
四角(大) {{&#x25FC;}}
ひし形(小)変換されない
ひし形(中)変換されない
ひし形(大) {{&#x25C6;}}
チェックマーク {{&#x2713;}}
右向き矢じり {{&#x27A2;}}
白花火星 {{&#x2727;}}
上指差し {{&#x261D;}}
はさみ {{&#x2702;}}
鉛筆 {{&#x270E;}}

4–6 表のインポート

Wordの表はCAS記法の表に変換するか、XHTMLの表に変換して埋め込みブロックにします。

表4・1 既定値(表のバックグラウンドカラーを有効にするにチェックなし)
罫線のある表罫線の無い表
セル結合のない表CAS記法の表に変換。[[[:tbl ~]]]でブロック前後を囲む(罫線を表示、中央揃え配置)CAS記法の表に変換。[[[:tbl ~]]]でブロック前後を囲まない(罫線を非表示、左寄せ配置)
セル結合のある表XHTMLの表に変換し、<<embed >>でブロック前後を囲む(埋め込みブロックに)[[[:tbl ~]]]でブロック前後を囲む(罫線表示、中央揃え配置)XHTMLの表に変換し、<<embed >>でブロック前後を囲む(埋め込みブロックに)[[[:tbl ~]]]でブロック前後を囲まない(罫線非表示、左寄せ配置)
表4・2 表のバックグラウンドカラーを有効にするにチェック
罫線のある表罫線の無い表
セル結合の有無に関わらず同じXHTMLの表に変換し、<<embed >>でブロック前後を囲む(埋め込みブロックに)[[[:tbl ~]]]でブロック前後を囲む(罫線表示、中央揃え配置)XHTMLの表に変換し、<<embed >>でブロック前後を囲む(埋め込みブロックに)[[[:tbl ~]]]でブロック前後を囲まない(罫線非表示、左寄せ配置)