第8章 多言語混植PDFの作成

CAS-UBでは日本語の本文中に他の言語の文字を含む多言語混植ができます。例えば、日本語の出版物に、他の言語(フォント)を混在させるには①言語タグを使うか、②スタイルセットを使います。

8–1 言語タグを使う多言語混植

  1. CAS-UBでの出版物の言語を「日本語」にします
  2. 記事の日本語以外の部分に、言語(スクリプト)を設定します
  3. PDFを生成するときは、フォント設定でそのスクリプト用に設定したフォントが使われます

言語属性による日本語と中国語の混植の例

出版物の言語を「日本語」に設定しているとき、本文テキストは日本語がデフォルトです。例えば、ある段落に中国語(簡体字)のテキストを指定するときは、①テキストの簡体字の部分に':lang=zh-CN'属性を付けます。

images/simpleCN.png

図8・1 簡体字中国語指定例

PDF:フォント設定

フォント設定でスクリプト別のデフォルトフォントを指定します。

images/multilingual.png

図8・2 中国語のデフォルト・フォント設定

上の例では、②PDF生成のPDFフォント設定で中国簡体字(Hans)に簡体字フォント名を選択します。これにより本文中で':lang=zh-CN'を指定した箇所が指定した簡体字フォントになります。

表8・1 言語属性設定とフォント設定
言語属性設定 フォント設定
:lang=ja日本文字
:lang=zh-CN中国簡体字
:lang=zh-TW中国繁体字

8–2 スタイルセットを使う

スタイルセットでもフォントを指定できます。ある範囲の文字列にデバナガリのフォントを指定するときは次のようにします。

マークアップ

指定したい範囲にスタイルセットを指定します。

デバナガリ文字にある横線は、シローレーカー([[[:styleset2 शिरोरेखा]]])と呼ばれる。 子音字r(U+0930)[[[:styleset2 {{र}}]]]の半子音字に子音が続く場合は、レーパ([[[:styleset2 रेफ]]])と呼ばれる変化を起こし、シローレーカー上に移動する。 

上の例ではデバナガリ文字の部分に適切なフォントが指定されていません。次のようなスタイルセットファイル(styleset-pdf.css)を作り、スタイルシート画面でアップロードします。

.styleset3 {
font-family:AA_NAGARI_SHREE_L3;font-size:1.5em;}

デバナガリフォント(AA_NAGARI_SHREE_L3.ttf)をフォント画面でアップロードします。

images/font-devanagari.png

図8・3 フォントのアップロード

組版結果

デバナガリ文字にある横線は、シローレーカー(शिरोरेखा)と呼ばれる。 子音字r(U+0930)の半子音字に子音が続く場合は、レーパ(रेफ)と呼ばれる変化を起こし、シローレーカー上に移動する。